雨の日に、キミと一緒に創るエロ。

 『ふぅ』と溜息なのか深呼吸なのか分からない、若干深めの息を吐くと、現時点の売上を確認しようとレジに向かった。

 キャッシャーを開け、お札を数えながら、何となくオレも窓の外に目をやると、

 「・・・ん??」

 思わず顔を窓に近付けると、自分の鼻息で窓ガラスが白く曇ってしまった。

 クロスで窓ガラスを拭き、再度目を凝らす。

 目に飛び込んできたのは、全力疾走している女の姿。

 ドスドスドスドス。

 無駄な動きが多すぎる、その走り。

 その女が勢いよく店のドアを開け、中に入って来た。

 「今日の日替わりパスタって何!?」

 息を切らせながらも、恐ろしくハイテンションな千秋だった。
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