16の月-過去に戻れたら‥【完結】
*************




電車に乗り、もう見慣れた道を歩く。

工場へ着いた時にはオバサンが笑顔で手を振り

何も言わなくても、高宮さんを呼びに走ってくれた。


だけど、やはりこれもまた見慣れた光景でオバサンだけが
戻って来た。



「兄ちゃん、ごめんごめん、由香里ちゃんね、
今日は社長の家に行ってるんよ。
おばちゃん、すっかり忘れてた。社長の家はね、
ここからまーっすぐ、歩いた所にあるけん、行ってみんさい。」


俺は「解りました、ありがとうございました。」と頭を下げ、
工場を後にし光本さんの家へ向かうことにした。

< 125 / 205 >

この作品をシェア

pagetop