16の月-過去に戻れたら‥【完結】
俺は、少し話そうと自分で言った癖に、何も言葉が出てこない。
「水池君、まだサッカーやってたんだね」
「ああ‥大学の時もやってたし、
サッカーのある会社に入ったんだ」
「凄いね。」
「ハハ‥給料は安いけどね…」
こんな事を話したいんじゃない…
それなのに、どう話していいのか解らない‥
「元気そうで良かった‥」
高宮さんがそう言った。
「あ、ああ‥元気さ。元気だけが取り柄だし‥」
高宮さんは頷き微笑んだ。
「じゃあ‥私、もう行かないと…」
「…。」
聞かないと…
今、聞かないと…
俺の頭の中でグルグルと回転する‥
声を振り絞った…
「今、幸せですか‥?」
…と。