マー君(原作)
しかし、それは嘘ではなかった。

じっと見ていると天井に竹村君の生首が浮かんで見えた。

それは口を開いて言う。

「メールを止めたら、死ぬ」

がばっ。

雫は勢いよく上体を起こす。

気づけば汗だくだった。

息が切れ、吐き気がした。

あの事件直後皆帰されたが、中学生であんな光景を見せられたのだ。

とても平静を保っていることはできない。

数人の生徒はそのまま病院に行ったとか。

それに比べれば、自分はまだ幾分ましなほうかもしれない。

ホラー映画とは訳が違う。

リアルなのだ。

見たものは――本物の死だ。

「ハァッ、ハァ、ハァ、気持ちっ、悪い」

今になって恐怖が込み上げてくる。

雫はあの記録を少しでも消すため、仰向けになり、枕に顔を無理矢理押し付けた。

そうして何も考えないようにした。

何も考えたくなかったから――。

そのままどこかに消えていなくなりたかった。

こんな嫌な思いをするのは、耐えられなかった。

人が死ぬのを見るなんて――。
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