マー君(原作)
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雫はメールを読み終えると、全身から血の気が引く気がした。

ありえない。

その五文字だけが口から出た。

それは綾が私にこのメール送ってきたことではなく、その転送回数だった。

千人に? 

なんかの冗談でしょ? 

こんな馬鹿げたチェンメールなんて……。

メールには送信、転送した場合、タイトルの上に「FW」というマークがつき、回数を重ねる毎にそのマークが増えていく。

このメールの「FW」というマークが数え切れない程あった。

つまりその回数分送られた訳だが、これが転送である場合、更に送られている。

送信、転送には一気に複数の人物にメールを送る機能があり、その機能で最高七、八人まで送ることができる。これは機種によって違うが。

雫が今使っている携帯はDOCOMOだが、一気に最高七人にメールを送ることができる。

としたら、今このチェーンメールが恐ろしいスピードで全国に広まっている。

それに――。

雫は顔をしかめ、チェーンメールの画像を見た。

予想はしていた。

だが、それを見た途端、吐き気を催した。

画像は――今日自殺した竹村君の生首だった。

もしこれが全国に広まった場合、どうなるのだろう?

雫はチェンメールを見たまま凍りついた。

もしこれが本当だとしたら……。

一瞬竹村君が首をかっ切るシーンが見えた。

もし、この写真に写る竹村君を知らない人がこの奇怪なメールを見たら、おそらく送らないだろう。

千人ものの人に送るはずがない。

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