マー君(原作)
男の姿が消えてしばらくしてから、成幸はゴミバケツの陰から姿を現した。月の光が成幸がいる路地を照らしだす。

その時、また夜風が路地に入り込んできた。そしてまた地面に捨てられた雑誌のページがめくれていく。成幸は足元にあるそれをじっと見つめていた。

ページはある記事で止まった。

「マー君ウィルス発生」という記事で。

その記事は怪奇出版というオカルト雑誌の物だった。

成幸はそれを拾うと、急いで路地から抜け出した。
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