マー君(原作)
もう限界だ。

体がそう悲鳴をあげている。しかし、足は止めない。まだやらなくてはならないことがあるため、止まる訳にはいかないのだ。

「畜生! 僕は僕はまだ、まだ−−まだ!」

歩け! 歩け! 歩け! 

頭の中で強く想い続ける。疲労が体を支配する前に、どこかに隠れなければ、マー君信者に見つかってしまう。

そうなる前になんとかしなければならない。

成幸は歩きながら周りを見回した。しかし、住宅街の狭い通路に隠れる所などなかった。

電柱が一定の間隔を空けて立ち、側にゴミがあるかないかの違いしかない。

「ど、どうすれば、っいい、んだ?」

口の中が乾いてうまく喋れない。気付けば足が止まっていた。ついに恐れていたことが起きたのだ。

足が、動かない−−。

痙攣した脚はいくら「歩け!」「歩け!」と命じてもびくとも動かない。それを機に体が言うことを聞かなくなった。
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