マー君(原作)
<6>

きっと僕は疲れているのだろう。仮面をつけた怪物達に追われるなんて・・・・・・。

夢ならそろそろ覚めてほしいものだ。こんなの冗談じゃあない。

ホラー映画じゃあ僕の今の状況は芳しくない。きっとこれはこれから殺されるシーンだろう。

「ハァッ、ハァッ、ハァハァ」

息が苦しい−−。

体が重い−−。

成幸は疲れ切った体を壁に押し当てながら、ゆっくりと歩いていた。なんとかマー君信者をまいたが、まだこの近くにいるため油断禁物だ。

だが、もはや成幸には逃げる体力も気力も残ってなかった。走り過ぎたせいで、目眩がする。目の前が歪んで見える。

このまま倒れていいならどれだけ楽なことか。

が、これは現実だ。倒れていいはずがない。諦めていいはずがない。目的があるなら−−。

住宅街の狭い道路は、まるで迷路のように入り組んでいて、少し気味が悪かった。左右に並ぶ背の高い石塀が一層そうさせる。

成幸は壁におかかりながら、無理矢理足を動かしていたが、慣れないことをしたため、脚が痙攣している。
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