マー君(原作)
「それで、雨さんはどちらに?」

そうそれがずっと気になっていた。

ここに来た時に、雨の母親に「娘は不在だ」と言われ、ここに通されたが、その詳細を伺っていなかった。

雨の母親はしばらく黙っていたが、洋太がじっと見つめていると、ほどなくして口を開いた。

「雨は今家出中です」

「家出?」

予想外な答えに、洋太は戸惑った。

何故、家出?

雨と親の間で何かもめごとでもあったのか?

そんな素朴な疑問が浮かんでは消える。いっそ単刀直入に家出の理由を聞きたかったが、そこまで自分が入り込んでいいはずがない。

これは雨の家族の問題であり、俺が関与することはできない。

が、雨の母親は意外と簡単に口を割った。

「ええ、娘が家出してからしばらく経ちます。雨、最近悩み事があったみたいで。

私と夫の言うことを聞かなくて、それで喧嘩になりまして、本当困った子ですよ。どうして私達を目の敵にするんでしょうね。

妹が事件を起こしてから、雨も変わってしまいましたし」
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