マー君(原作)
<13>
・・・・・・しくじった。
洋太は血が滴り落ちる左腕を押さえながら、キッチンの方へ後ずさる。
目の前には仮面をつけ、両手で包丁を握りしめている雨の母親が立っている。
くそっ。
洋太は激痛が走る左腕を強く握り絞めた。さっきのあの突進を避け切れず、左腕に長い切り傷をつけられた。
傷こそ深くないが、かなり大きく切られてしまった。赤い線が斜めに延び、血をカーペットの床に垂らす。
「もう、避けないでくださいよ〜。一発で仕留めるつもりだったのに。でも、安心してください」
雨の母親は赤く染まった包丁を白い仮面に当て、斜めに血をつける。
白い仮面に赤い斜め線が入り、更に不気味さを際立てる。
「こんなこともあろうかと、さっき夫にもこっちに来るように連絡しましたから。
まあ、その前に−−」
仮面から包丁を離し、だらりと腕を垂らす。そして、間入れず一気に洋太に切り掛かる。
「あなたが死ねばいい話なんですけどね!」
「やめてください! こんなことっ」
・・・・・・しくじった。
洋太は血が滴り落ちる左腕を押さえながら、キッチンの方へ後ずさる。
目の前には仮面をつけ、両手で包丁を握りしめている雨の母親が立っている。
くそっ。
洋太は激痛が走る左腕を強く握り絞めた。さっきのあの突進を避け切れず、左腕に長い切り傷をつけられた。
傷こそ深くないが、かなり大きく切られてしまった。赤い線が斜めに延び、血をカーペットの床に垂らす。
「もう、避けないでくださいよ〜。一発で仕留めるつもりだったのに。でも、安心してください」
雨の母親は赤く染まった包丁を白い仮面に当て、斜めに血をつける。
白い仮面に赤い斜め線が入り、更に不気味さを際立てる。
「こんなこともあろうかと、さっき夫にもこっちに来るように連絡しましたから。
まあ、その前に−−」
仮面から包丁を離し、だらりと腕を垂らす。そして、間入れず一気に洋太に切り掛かる。
「あなたが死ねばいい話なんですけどね!」
「やめてください! こんなことっ」