マー君(原作)
勝田はデスクから立ち上がると、窓辺により、高さ14階のオフィスから外の様子を眺めた。
夏の早朝は青空がすがすがしく、鳥が見える。こんな都会にも鳥が飛んでいる光景を見ると、どこか安心する。
だが、勝田の周りには空に伸びるように背の高いビルが何本も立ち視界を塞いでいる。
そこはとてもいい光景とは呼べないが、今はどんな物を見ても美しく見えた。
日の光が反射するビルの群。
眼下の入組んだ道路を走る車の群れ、人――。
どれも美しい。まるで長い刑期を終え、解放されたような気分だ。
「ぞくぞくするよ、マー君」
昨夜、あの自殺サークルサイトの掲示板に、マー君に自分を殺してくれと自殺支援の書き込みをしたのだ。
その途端、今まで退屈だった世界が一変した。
常に命を狙われている――そのスリルが堪らなく、心地よかった。血が騒ぐとはこのことを言うのだろう。
まるで今自分はスパイ映画の中にいるような感覚だ。平凡な日々が終わり、これからは命を狙われる日々が始まる。
夏の早朝は青空がすがすがしく、鳥が見える。こんな都会にも鳥が飛んでいる光景を見ると、どこか安心する。
だが、勝田の周りには空に伸びるように背の高いビルが何本も立ち視界を塞いでいる。
そこはとてもいい光景とは呼べないが、今はどんな物を見ても美しく見えた。
日の光が反射するビルの群。
眼下の入組んだ道路を走る車の群れ、人――。
どれも美しい。まるで長い刑期を終え、解放されたような気分だ。
「ぞくぞくするよ、マー君」
昨夜、あの自殺サークルサイトの掲示板に、マー君に自分を殺してくれと自殺支援の書き込みをしたのだ。
その途端、今まで退屈だった世界が一変した。
常に命を狙われている――そのスリルが堪らなく、心地よかった。血が騒ぐとはこのことを言うのだろう。
まるで今自分はスパイ映画の中にいるような感覚だ。平凡な日々が終わり、これからは命を狙われる日々が始まる。