マー君(原作)
私は、まだ生きていいのかもしれない。

この高揚感が、リアルが、感覚が、全てが私に生きる力をくれる。それだけで十分だろう。

ここにいるのなら。

まだ鼓動が鳴り続けているなら……。

勝田はにっこりと笑うと、男から資料を受け取った。それを機に、男が説明する。

「これは現在手がけているオーストラリア一周の海外旅行の企画ですが、宣伝として我が社のHPでこのことを――」

資料を見ながら、男の話を聞く。

そう、この感覚だ。

つねにスリルを味わい、やり遂げる。この感覚が消えてしまうなど、それこそありえない。

緊迫した空気の中で自己を試すこの緊張感、達成感は生きていなければ味わうことはできない。今まで退屈に思えていた日々も、今日からは全て変わるのだ。

マー君のおかげで。

勝田は資料を真剣に見つめながら、今後の旅行プランの進行を考えた。
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