マー君(原作)
そう思いつつ、乾いた口にビールの気泡と小麦色の冷たい液体を流し込む。

「くっうー! 最高だ。これが生きているって言うのか」

ビールに感動するなんて何年ぶりのことだろうか。最近はビールすら飲んでいなかったが。

勝田はビールを飲みながら、リビングのソファに近づいた。ソファの前にはまだ黒い柄のノートパソコンが閉じて置いてある。

ソファに座り、それをじっと見つめる。

閉じているノートパソコンは、四角い黒い箱に見える。

だが、このおかげで私は生まれ変わった。今思えば、こいつは救世主だ。

「マー君か……」

どっと背もたれにお掛かり、テレビを点ける。やはり気になる。

マー君が実在するなら、今自分は命を狙われているかもしれないのだ。そうなるとこうしてゆっくりしていられない。

確信が欲しい。

確たる証拠が。マー君が自殺依頼を見たかどうか。

テレビを点けると、いつもの若い女性アナウンサーが現れた。

またマー君のニュースらしい。真剣な眼差しで口を動かしている。
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