マー君(原作)
そこには、

「今仕事中?」

「今日は赤いネクタイなんだ」

「君のオフィス広いね」

「僕、君の帰りを待ってるよ」

「マー君なんていないなんて言わないで」

「君が望んだんだろう?」

「マー君は僕だよ」

「昼は何を食べるの?」

「ねぇなんで死にたいの?」

「自殺したい?」

「今日は一緒に帰ろうね」

まるで、ストーカーのような内容が資料をびっしりと埋めていた。白い空白がほとんど見えないぐらいだ。

勝田は、資料から目を離し、立ち上がった。

「こんなの、こんなの、嘘だ! 嘘だ! あれは遊びだった。本気じゃあない!」

目の前にいる男を見ると、血がついた白い仮面をつけていた。男は窓側を指差して、こっちを見ている。

「なら、死ねばいい。ここから飛び降りて、死ねばいい。死ねばいい、死ねばいい」

見ると、オフィスにいる四十名以上の社員が皆白い仮面をつけ、男と同じように窓を指して合唱している。

「死ねばいい、死ねばいい、死ねばいい、飛び降りて死ねばいい」
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