マー君(原作)
十数人の男女は表情を固くして、黙って雨の話を聞く。

「皆の覚悟はわかってる。だけど、ここから先は引き返せない。また何かを失うかもしれない。大切な物−−」

雨は改めて皆の真意を確認した。そうしなければ、ならなかった。自分のためにも、皆のためにも。

「もし、それを失いたくないなら、今からでもいい。引き返してもいい。私は皆に強制できない。

それでもマー君と戦う意思があるなら、大切な物を取り返したいなら−−」

ゆっくりと黒い仮面を顔に押し当てる。

「この黒い仮面をつけてほしい。私達は逃げるために仮面をつけるんじゃあない」

学生服を着た雨の顔を黒い仮面が覆い隠す。その姿は異様だった。顔だけが黒い姿は。

「覚悟を決めるために、貫き通すために付ける。だから、隠すのは顔だけでいい。

マー君が白い仮面なら、私達は黒い仮面を付ける」

雨ははっきりと言った。

「大切な物を取り戻すために、私達は黒の仮面になる!」

その言葉と共に皆持っていた黒い仮面を自らの顔に押し当てた。誰一人として逃げずに仮面を身につけた。
それを見て、雨は覚悟を決めた。

「マー君を消し去るために! 私達は戦う」
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