マー君(原作)
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雨は待った。動くのを。その時が来るのを。

壊れかけた車の天井に腰かけていた雨は、作業をする皆を眺めていた。

今JCOの本部に乗り込む準備をしている。ある者は車を用意し、ある者は武器となる物を揃え、ある者はノートパソコンを使い情報を集め、ある者は作戦を確認している。

そんな皆を眺めながら、ふと思う。

本当に私達はマー君に勝てるのかと。

雨は海岸であった凪という少年が気になった。

マー君に勝てるの?

その言葉は雨に重くのしかかった。これから行う作戦は、マー君を抹消するためのもの。

だが、だからこそ危険なのだ。だから−−。

黒の仮面は皆若い。両親や友達のため、自分、未来のために集まった者達だ。中学生だっている。

そんな皆を今から危険な場所に送り込むのだ。今まで生死に関わるような活動はしてこなかった。

皆を失うのが怖いから−−。

だけど。

雨はゆっくりと立ち上がる。車の上に。そして、持っていた仮面を顔の下に翳す。

「皆、聞いてほしい」

雨の声に皆手を止める。雨は上から皆を見回しながら、静かに告げた。

「これから私達は危険な場所に突入する。だから、命の危険だってある」
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