マー君(原作)
「成幸ね、あのいかれたハッカー野郎か。あいつは--」

「お姉ちゃん!」

車から凪が降りてきた。どうやらこの騒ぎで目が覚めたようだ。雨はJCOに背を向け、しゃがんで凪の頭を撫でた。

「凪、心配ないよ。だから--」

「ち、違うんだ! 違うんだよ!」

凪は何か伝えたいのか、必死に訴えてきた。雨はそんな凪を落ち着かせようとしたが、凪は叫び散らした。

「違うんだ。お姉ちゃん! 黒の仮面に、スパイがいるんだ! マー君のスパイがいるんだ!」

「スパイ?」

雨が困惑していると、JCOが鼻で笑った。

「そうだ。お宅のハッカーは感染していた。結果、施設内にマー君の侵入を許した」

「侵入?」

「ああ、新型だ。例えるなら--レベルMM。死神だ、あれは」

それだけ言うと、男は背を向け離れて物置小屋へと戻っていった。

「ついてこい、黒の仮面。この惨劇を止めたいのなら」

雨はその男の背中に言い知れぬ恐怖を感じた。

レベルMM--。

新型--。

死神--。

なぜか雫のことが頭から離れなかった。
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