マー君(原作)
マー君はモニターを見上げたまま黙った。

「君は僕の一部だ。君は見てきたはずだ。

人間の心の弱さを。人間は現実を嫌い、ネットという架空の世界に逃げたがっている」

『警告! 警告! あと98秒で--』

「もし、インターネットがなかったら? 人間はどうなっていた? きっと人間の心はここまで弱くならなかった。が、現状インターネットはある。人間の逃げる世界として、空間として」

マー君はモニターから顔を下ろし、カプセルに更に近づいた。

「そうだ。人間の心は現実にはない。ネットの中にあるんだ。だから、僕は--」

カプセルのすぐ目の前で止まる。そして、片手をカプセルに宛てた。

「僕は君を取り込む。そして、人間という生き物を変える。強い生き物に。心の」

マー君は手を宛てたまま静かに告げた。

「これから--君をインストールする」

「それで、僕らは一つに」

「僕らは一つに」

マー君はオリジナルのマー君のインストールを開始した。

これにより、世界がよりよいものになると信じて。

「インストール・・・・・・」
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