マー君(原作)
<22>

「これで、わかっただろ?」

正樹はレベルMに頭を掴まれていた。足は宙を浮き、ぶらついている。周りには黒い仮面をつけたチームが倒れている。皆、レベルMにやられたのだ。

「ちく、しょうが!」

正樹は視界が塞がれた中、持っていた木刀を強く握りしめた。が。

「だから~、やめておけばいいのに。まさか」

レベルMに木刀を叩き落とされる。

「本気で僕に勝てる気でいた?」

「お前は・・・・・・」

正樹は次第に意識が薄れていく気がした。今までの感染者とはまるで違う。

強い。

強すぎる。

でも--。

「さーあ、頭ぐちゃぐちゃ? それとも--」

正樹は視界の端に倒れている学生を見た。まだ幼いその少女は腹部から血を流している。だが、まだ微かに息があった。

正樹はぼやける視界の中、確かに見た。

少女の涙を。

少女は泣いていた。必死に生きながら泣いていた。苦しさに耐えながら泣いていた。

なのに僕は--。

なのに僕は--。

泣いていない。
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