マー君(原作)
「心配すんなって、ただのいたずらだって。中から誰かが僕達をからかってるだけだって」

間宮が持っていた棒を招き手に押し付けてみた。始め、招き手に変化はなかったが、何度も棒でつつくと、急に棒を勢いよく掴んだ。

ガツッ!

その瞬間、引っ張られた友達は、前かがみになり、招き手が更に棒を引っ張った。

そのため、間宮は更に小屋に引き寄せられ、次の瞬間招き手が友達を掴んでそのまま小屋の中へ引きずりこんだのだ。

間宮の叫び声が小屋から聞こえたが、誰も動けなかった。そして、いつしかその声は消え、忙しなくなく蝉の声に掻き消された。

これが間宮を見た最後だった。

この時から俺達はばらばらになった。

望んだ訳ではない。

だが、逃げたのだ。間宮から、恐怖から……。

そして、俺はこの悪夢を消し去るため、間宮という存在を消し、その絆を断ち切るため、良一と対立することになった。

全てを忘れるために。

間宮という悪夢から逃げるために。
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