マー君(原作)
勇気は携帯を握り締めたまま呆然と立ち尽くしていたが、はっとして昭子に電話を掛けた。

いつも早紀は昭子と帰宅している。

なら、昭子に聞けば……。

すぐ電話はかかった。

コール音が耳の奥に響く。

しかし、しばらくしても電話には出ない。

勇気は急に寒気を感じた。

「まさか、昭子にも何か――」

まだ制服姿だった勇気は、そのまま急いで部屋を出ようとした。

早紀と昭子の所へ向かうのだ。

ドアを開け部屋を出ようとした。

その直後だ。

携帯電話が振動した。

そこであることを思い出した。

まだ美代がいる。

美代なら何か知っているかもしれない。

きっと美代が電話を掛けてきたんだ。

そう自分に言い聞かせながら、ドアを開けたままその場で携帯電話を開いた。

すると、どうだ。

携帯電話の画面になにやら地図のような物が載っていた。

いつこんなページを開いたのだろう、画面の上にiモードのマークが点滅していた。

このiモードとは、「インフォメーション」「インターネット」「インタラクティブ」の三つの頭文字からとったもので、この場合のiモードは「インターネット」、つまり我々が言うネット通信中のマークである。

< 76 / 604 >

この作品をシェア

pagetop