マー君(原作)
すると、あの仮面の女の後ろ姿が見えた。

何かを探すようにキョロキョロしている。

今そいつは玄関から入って真っ直ぐに伸びる廊下を歩いている。

廊下の奥に行くと、右手にリビングに通じるドアがあり、更に置くにはトイレのドアがある。

そして更に奥に行くと、二階に通じる階段がある。

もともと勇気の家は狭く、作りも簡素だった。

「来るなよ、こっちに来るなよ」

怯えながら携帯に話しかける。

携帯を持つ手は汗でびしょびしょに濡れ、微かに震えていた。

真夏とあって、額からは大粒の汗が滲み出てくる。

しかし、それが熱さだけではないと知っていた。

勇気の願いとは裏腹に、マー君はトイレの方に向かう。

そこで、立ち止まるとキャハハハハハと気味の悪い声を上げ、木製のドアを鎌で切り刻んだ。

ザクザクと嫌な音が響く。

それはドアの向こう――下から聞えてくる。

勇気は堪らず、どこかに隠れようと部屋を見回した。

すぐ窓が視界に入った。

近づき、鍵を開け、窓から下を見下ろすが、とても下りれそうになかった。

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