マー君(原作)
一方、雫も机の下で悪戦苦闘しながら携帯をいじっていた。

綾ほど度胸がないため、いつも机の下に隠していじっている。

これをすると、首の付け根が痛くなり、肩が凝る。

それでも、この日課を止めるつもりはない。

そしてそれは今日も同じはずだった。

携帯をいじったまま授業が終わり、「あーあ疲れた」と言うのが。

事件が起きたのは、綾にこんなメール送った後だった。

――なんか皆噂してるけど、マー君って本当にいるのかな?

チャットとかネットゲームとか色んな所に出てくるみたいだけど。メールとかにも出るのかな? メールだってネットに関係するしね――

メールを送信すると、ずっと下を向いていた雫は、疲れた首を癒そうと顔を上げた。

始め、いつもと変わらない風景が見えた。

高橋が黙々と授業を続け、皆だらだらと話を聞いている光景が。

しかし、何かが変だった。

よく見ると廊下側の一番前のおかっぱ頭の男子生徒が直立していた。

彼はずっと黒板を見ていたが、急に皆の方を振り向いた。

その顔は不気味だった。

いつもの穏やかな顔が消えていた。

上目遣いに皆を睨んで、口が横に広がっている。

まるで何かを企んでいるかのような顔だった。
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