マー君(原作)
気づけば、高橋が叫んでいた。

竹村を止めようと包丁を持つ手を押さえようとしていた。

返り血を沢山浴びながら――。

「た、けむらああああああああ!」

しかし、竹村の手は止まらなかった。

もはや絶命しているように見えたが、手は止まらなかった。

「や、やっめろおおおおおおおお!」

それが竹村が聞いた最後の言葉だったかもしれない。

次の瞬間ゴロッと音がして、竹村の頭がコロコロコロと床を転がった。

その首は固まっている生徒達の前で止まって、首根が床に直立した。

まるで皆を見るかのように――。

また悲鳴が上がる。

その中に綾の声も聞こえる。

雫は顔を逸らしそうになったが、その首を最後まで見ていた。

何か言い終わるまで。

「メールを止めたら、死ぬ」

そう聞こえた。

その後、他の教室から教師や生徒達が様子を見に駆けつけて来た。

しかし、その時には何もかも終わっていた。

教室は血で染まっていた。

竹村の血で――。
< 99 / 604 >

この作品をシェア

pagetop