淡い初恋
龍くんの部屋から一緒に出て、階段を降りていた時、宗次郎さんに声をかけられた。「もし、良かったら知り合いから高麗人蔘の茶を貰ったから飲まないか。」彼は、不細工な顔をすると「まずそう。」と言ったので宗次郎さんは「美容に良いぞ。」応えた。彼は、「どうする?」と私に聞いてきたので美容に良いと聞いて是非「飲む!!」と応えた。

ソファーに二人腰掛けると宗次郎さんはテーブルの上にお茶の入ったらティーカップを置き、テーブルを挟んだ目の前に腰掛けた。一口飲んで龍くんは「まず・・・。」と言い、飲むのを諦めたようだった。私もまずいと思ったけど頑張って飲んでたら龍くんに「我慢するなよ」とケラケラ笑われた。「美容のためだもん。」と私は自分に言い聞かせた。

「宗次郎さんは大学では何を学ばれてるんですか?」と聞くと「あぁ、理工学だよ。」と彼は応えた。へぇ~っと応えるとすかさず「どっちかというと理数系が得意だからね。」と宗次郎さんは応えた。「将来はどんな仕事に就きたいですか?」と聞くと「一応、ITの内定はもらってるよ」と応えた。「すごい!!」と言うと「ね、ね!龍くんは大学どうするの?」と彼にも聞いた。「俺?俺は、K大の経済学部を目指してる。ここは、伝統があって花形らしいから。」と言ってきたので「K,K大!?」と反応した。あの、超高額で頭の良い私立大学を受けるの!?「す、すごいけど、でも龍くんも理数系強いのに経済学部なんてもったいない。」となんとか応えるとすかさず「バーカ」と言われ頭をくしゃくしゃ撫でられた。

「う、うわぁ!」と乱れた髪を直しながら上目遣いで彼を見上げると龍くんは笑って「数学に強いから経済学部に入るんだよ。授業で統計学ってあって、そこでは数値を算出してデータで持って証明しないと人を論派出来ない。だから数字に強いと経済学で役に立つんだ。」と話した。
「そ、そうなんだ。将来はどうするの?」と聞くと「ベンチャー企業を立ち上げたい。」と彼は応えた。す、すごい!ベンチャー?と思っていると

「それは、またハイリスク・ハイリターンな・・・」と宗次郎さんが笑いながら揶揄した。「まぁ、今はまだどんな技術や製品を開発したいとかは考えてないけど、いつかは経済学や国際経済等を学んで俺は新しいビジネスを生み、トップを目指したい。」と龍くんは語ってくれた。

「すご~い!すご~い!」と私は大はしゃぎ。やっぱ龍くん、すごすぎるよ!私とレベルが違いすぎる!!そう思っていると「でも、兄が言うように失敗したら大損になる。それでも俺に付いてくるか?」とからかうように聞いてきたので迷わず「うん!!」と即答した。「え?」と驚かれたけど「絶対龍くんだったら成功するよ!私、応援する!そして何か手伝えることがあったら私も協力するよ!!」と私は応えた。龍くんは、ハッと笑うと「希じゃぁ、手伝っても俺の足を引っ張るだけだよ。」とからかってきた。「何よ~。」と私は膨れた。けど、龍くんの夢を応援するし私がバックアップするから!みんなが龍くんの敵にまわったとしても、たとえ龍くんが失敗したとしても私がずっと龍くんのそばに居て支えるから!!

< 25 / 83 >

この作品をシェア

pagetop