淡い初恋
入学式当日、私は新入生代表挨拶の時にその主席を取った千堂龍之介を、どんな奴か見てやろうと思った。どうせガリ勉で眼鏡を掛けたオタク野郎・・・・。あれ?バスケでMVP取ったんだっけ?少し考え込んでいたその瞬間、長身の男が私達前列の前を通り、マイクスタンドの前に立った。

え!?

「本日は私達新入生の為にこのような盛大な式を挙げて頂き誠にありがとうございます。」

身長180cmの程よい筋肉質の体をした彼、ブレザーの制服に既にマッチしており、あの落ち着き感がむしろ上級生を思わせた。サラサラな黒髪、小顔で整った顔立ち、低い声。初めて男の人を見て美しいと思った。

まさか、こんな人がいたなんて・・・。千堂龍之介・・・・。最初はあなたの存在自体が嫌だったけど今日あなたを初めて見て、既に私の心は奪われた。
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