オトコの娘。*彼氏、ときどき、女の子!?*
けれど、メルさんさんも子グマを飼っていたと言ったわけで、野宮さんの頬の傷は、彼が言っていたように、子グマともみ合った最中、爪でシャッとやられたもの、ということになる。
野宮さんって、すげー……。
そこまで思うと、とうとうあたしは力尽き、次に目が覚めたときには、すでに目覚めていたメルさんがちょこんと床に正座をしていて。
「あら、おはよう」
「……おはようございます」
「うふふ」
なんとも言えない妖艶な微笑み付きの、とても豪華な目覚めを迎えたのだった。
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「さて、まことちゃん。さっそく本題に入るわよ。まずは、どうしてあたしがここへ来たのかだけど、だいたい察しがついているわよね」
メルさんには、そのまま少し座っていてもらって、散々している丸まったティッシュや缶チューハイの空き缶を片付け、コーヒーでもごちそうしようと、火にヤカンをかける。
そうして一仕事を終え、あたしもメルさんの隣に正座すると、彼女はまず、そう聞いてきた。
あたしより早く目が覚めたのなら、少し片付けてもらっていたら嬉しかったのだけれど、正真正銘のセレブに、さすがにそれは言えない。