オトコの娘。*彼氏、ときどき、女の子!?*
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「ほんっとに、もうっ!! 全然納得できない!竹山も竹山だけど、マコもマコだよ!どうしてあんなこと言ったの!? バカたれがっ!!」
「大変ご立腹なようで……」
「当たり前だよ!葉司君が、いくら自分の立ち位置が曖昧だって言ってても、マコが葉司君は男だって言い続けたらいいだけの話じゃん!」
「そう、かな……?」
「絶対そうだって!そのうち『俺はやっぱり男だった!マコ、大好き!やり直そう!』ってなったよ。わりと単純だもん、葉司君。それなのに、何をややこしくしてるかな、あんたは!!」
「ごめんって、奈々」
メルさんにビルの外まで送ってもらったあたしたちは、すぐには別れず、いったん、あたしの部屋へ行き、こうしてお叱りを受けていた。
奈々の怒りの矛先は、今はもっぱらあたしだ。
愛菜……いや、もう葉司でいいか、が、オトコの娘と男の境目が曖昧になっている、と言ったとき、どうして「葉司は男の子だ」と言ってやらなかったのだ、と散々責められている。
「だいたいね、もう彼女じゃないからって理由で、竹山なんかに遠慮してんじゃないわよっ。万が一にも葉司君が竹山を選んだとしたら、あたし、マコと親友やめてやるからね!」