オトコの娘。*彼氏、ときどき、女の子!?*
 
ーーー
ーーーーー
ーーーーーーー


「ほんっとに、もうっ!! 全然納得できない!竹山も竹山だけど、マコもマコだよ!どうしてあんなこと言ったの!? バカたれがっ!!」

「大変ご立腹なようで……」

「当たり前だよ!葉司君が、いくら自分の立ち位置が曖昧だって言ってても、マコが葉司君は男だって言い続けたらいいだけの話じゃん!」

「そう、かな……?」

「絶対そうだって!そのうち『俺はやっぱり男だった!マコ、大好き!やり直そう!』ってなったよ。わりと単純だもん、葉司君。それなのに、何をややこしくしてるかな、あんたは!!」

「ごめんって、奈々」


メルさんにビルの外まで送ってもらったあたしたちは、すぐには別れず、いったん、あたしの部屋へ行き、こうしてお叱りを受けていた。

奈々の怒りの矛先は、今はもっぱらあたしだ。

愛菜……いや、もう葉司でいいか、が、オトコの娘と男の境目が曖昧になっている、と言ったとき、どうして「葉司は男の子だ」と言ってやらなかったのだ、と散々責められている。


「だいたいね、もう彼女じゃないからって理由で、竹山なんかに遠慮してんじゃないわよっ。万が一にも葉司君が竹山を選んだとしたら、あたし、マコと親友やめてやるからね!」
 
< 182 / 343 >

この作品をシェア

pagetop