オトコの娘。*彼氏、ときどき、女の子!?*
竹山のその後が気になりつつも、しかし葉司との久しぶりのキスにどうしようもなくニマニマしてしまうあたしは、ただただ、葉司が好きなのだと改めて思い知らされるだけだ。
あたしの一世一代の告白は、寸前のところで葉司に横取りされてしまったけれど、あとで言う機会くらい、葉司も作ってくれるだろうし、今は取っておくことにしようと思う。
そう、例えば、スタッフルームまで、とか。
「さあさあ、いよいよクライマックスですよ!せーのでくす玉を割ってくださいね!」
「じゃあ、マコ」
「うん」
葉司と笑い合い、せーのでくす玉を割る。
結婚披露宴のケーキ入刀さながらの幸福感と、それと同じくらいの気恥ずかしさの中、パックリと開いたそれからは、色とりどりの紙吹雪がヒラヒラ、舞い落ちてくる。
そして、もうひとつ、こんな文字が書かれた紙が、しゅるしゅると垂れ下がってきた。
『まことちゃん、おめでとう!』
えー、なんで勝手に決定しているの……。
メルさん、あんた、すげーよ。
「ちょっ、メルさんっ!! もしも葉司が選んだのが竹山だったら、一体どうするつもりだったんですか、これっ!! てか、ステージの準備からくす玉まで、懲りすぎなんだってばっ!!」