オトコの娘。*彼氏、ときどき、女の子!?*
奈々とともにステージに上がってきたメルさんに、『まことちゃん、おめでとう!』の紙を指差しながら、あたしはやいやい文句を言う。
メルさんの温かな心遣いが嬉しすぎて恥ずかしすぎて、自分でもどうしたらいいか分からず、結局、文句を言うことに落ち着いたのだ。
可愛げがなくて申しわけない限りである。
「どうするも、こうするも、ずーっと前から言っているけれど、愛菜はちゃんとストレートな男の子なの。竹山を選ぶわけないじゃない」
「そうかもしれないですけど……」
「ああ、竹山に悪い、って思っているの? そんなのいいのよ、愛菜に寄生していた悪い虫がいなくなってくれて嬉しいわよ、あたしは」
「お……」
これはまた、なかなか辛辣な。
ふんぞり返り、こうもぴしゃりと言いきられてしまっては、ほかに何も言いようがない。
「違う違う。マコは、メルさんが最初からマコと葉司君がくっつく前提でお祝いコメントを用意してたことが嬉しいんだよねー。素直に言えないだけなの。照れ隠しよ、照れ隠し」
「なっ……!」
「あら、まあ!まことちゃん、かっわいい~」
「そうそう!マコって可愛いのよねー」
「……、……////」