オトコの娘。*彼氏、ときどき、女の子!?*
 
すると、すかさず奈々がニヤニヤしながら話に入ってきて、あたしの肩に腕を回し、ものの見事に気持ちを言い当ててくれやがる。

どうにも居心地が悪くなったあたしは、顔中から火が出そうなくらいの猛烈な恥ずかしさから少しでも逃れようと、とっさに葉司の背中に隠れ、助けを求めて制服の腕をきゅっと握った。

……が。


「まあまあ、マコ。言わせてあげなよ。2人ともマコにちょっかいを出したいだけなんだよ」

「うー。葉司まで……」

「いいじゃん。祝福してくれる人が身近にいてくれてさ。マコの人徳なんだと思うよ」


葉司までもが2人の味方に回ってしまい、さらに居心地が悪くなること、この上ない。

けれど、葉司も奈々もメルさんも、そして、いつの間にかあたしまで、えへへへーと笑ってしまっているのだから、これが、この場におけるハッピーエンド、ということになりそうだ。


「これにて告白大会は終了となります!お店のほうはすぐに通常営業に戻りますので、客席の皆さんは、そのまま少々お待ちくださいね!」


そうこうしていると、アズミが告白大会終了のアナウンスをし、それを合図にして店内の照明は明るくなり、スタッフの娘たちは、くす玉や紙吹雪の片付けやら、テーブルの配置換えやらに、てきぱきと動きはじめた。
 
< 305 / 343 >

この作品をシェア

pagetop