オトコの娘。*彼氏、ときどき、女の子!?*
あたしたちも、いつまでもステージ上でキャッキャウフフと話しているわけにはいかない。
メルさんの計らいで、お客さんの顔ぶれがだいたい変わるまではスタッフルームで控えさせてもらえることになった奈々とあたしは、紙吹雪の片付けもそこそこに、ステージを下りた。
「積もる話もあるでしょうし、片付けが終わったら、今日は愛菜もまことちゃんたちと一緒に帰りなさい。さすがにお店を貸し切りにすることはできないけれど、外に野宮を待機させておくわ。遠慮なく使ってちょうだい」
「ありがとうございます、メルさん」
「サンキューな、メル」
ああ、今日もメルさんは、とことんセレブだ。
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そうして、お客さんの顔ぶれが変わったのち、あたしたち3人は優雅に妖艶に微笑むメルさんに見送られ、『ねこみみ。』をあとにした。
メルさんの言った通り、外には野宮さんがすでに待機していて、あたしたちの顔を見るなり、にっこりと微笑みながら恭しく一礼する。
「お待ちしておりました。おめでとうございます、石田様、愛菜様。お嬢様から、お2人が結ばれたとのご報告を受けております。行き先はいかほどにいたしましょう。本日は終日、皆さまの運転手をさせて頂きますので、なんなりとお申し付けくださいませ」