Ending Note


「3週間――……」



次の日の夕方。

家庭教師のバイトにやって来た裕貴先輩に、あたしはママの病気のことをすべて打ち明けた。



「……やっぱり、そういう状態だったんだ」


「……“やっぱり”?」



だいたい予想はついていた、と言わんばかりの口調の裕貴先輩に、あたしは首を傾げる。



「いや、おまえからのメール……。ほら、お母さんの顔色のことで……」


「あぁ……」



確かあのとき、裕貴先輩からの返信がすぐに来なかったんだよね。



「そのとき大学にいたんだけど、ちょうど医学部の先輩と出くわしてさ。聞いてみたんだ」


「……うん」


「そうしたら、黄疸の症状が出始めたら……最悪の事態になっているって」


「…………」



黙り込んでしまったあたしに、裕貴先輩は「ごめん」と、少し焦ったように謝った。



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