Ending Note
――その日の夜、ママと同じ客間で眠りについたあたしは夢を見た。
学校から帰ると、ママが家の庭先でなわとびをしている。
あたしは慌てて「何やってんの!」と一喝しながらなわとびを奪い取った。
ママはニコニコ笑いながら、「ちぃちゃん、なわとびしよう?」と言う。
ちぃちゃん……?
それは、あたしがまだ小さかった頃にママに呼ばれていた名前。
ちぃちゃん、なんて呼ばないでよ。
あたし、もう高校生だよ?
そう訴えながら自分の体を見ると、あたしは、“高校生の千春”から“小さなちぃちゃん”になっていた。
“楽しいね、ちぃちゃん”
“うん、ママ。楽しいね”
夢を見ながらも、寝ている自分が泣いていることに気づく。
あれはそう。
あたしがまだ小さかった頃の、ママとの思い出だ――……