Ending Note
翌日、ママはパパに付き添われて病院へと戻って行った。
見送るあたしたちに、ママはたった一言、
“じゃあ、またね”
と微笑みながら言った。
あっさりした別れ方に、あたしたちは逆に安心した。
もしここでママが長々と泣けるようなことを言ってきたら、あたしたちは余計に不安になってしまう。
きっとママも、それを見越して、また会えるような言い方をしたんだと思う。
「さてと、洗濯でもしよう」
“普段どおりの生活を送ってね”
昨日の夜、ママが言った言葉をあたしは忠実に守る。
それがママの願いであるのだから――……