不条理な恋   理不尽な愛  (ベリカ版)【完】
しばらくのあいだ、そうやって母と共にいる幸せにどっぷりと浸っていた。


それなのに、さっきのできごとが…

どうしても喉元に引っかかった小骨の様で…

気になって仕方がなかった。


何が現実で、何が夢なのか…

さっぱりわからない。

あの男はいったい誰なのか?なぜ男は母を呼び捨てにするのか…

僕とどんな関係があるのか…

疑問だらけで、もちろんその答えは誰もくれるわけもなかった。


この不思議な出来事は、結局この男と僕が再びまみえるための約束だった。

それを僕はいつの間にか見せられ、引き寄せられただけの事…

でもおそらく母の記憶をのぞかせたのも、一瞬だけ会うことができたのも

アイツにとっては仕組んだ必然なのだろう?


それからその後に、もっと色々な忌々しいことを知らされることになる。

でも核心部分になると…

僕の能力(ちから)を持ってしてもわからないことだらけだった。

その全てに関わって登場するのはアイツ…

僕の事でも、母の事でも、父に関しても謎にぶちあったった時

その全てのカギを握っているのは…

アイツだった。

そして、最終的にアイツは…

僕の全てを…

支配していた。肉体だけでなくその感情すら全て…
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