不条理な恋   理不尽な愛  (ベリカ版)【完】
瑞希をお迎えに行って急いで家に帰る。

それからしばらくの時間は、私にとっては嵐のような時間。

でもそれは、瑞希と過ごす…

大切な時間。

そんな時でも私の頭の中は、さっきの事をどうするのか…

私はどうしたいと思っているのか…

私はそのことをどう受け入れ、どう覚悟するべきなのか…


結婚する時に、

思いを変える覚悟をした。


大希さんに一緒に病院に行ってほしいと言う時、

自分が女として重大な欠陥があることを知られるのが恥ずかしかった。

でも彼の子どもがどうしても欲しかったので全てをさらけ出す覚悟をした。


それから治療として体外受精をするたび、生理が来ると

どうしようもない焦燥感を感じ自分に失望した。


しばらくしておかしくなった私に気付いた大希さんから

治療を中断して心療内科に通うように言われたとき、絶望した。


それから運よく治療を再開できることになった時、

何としても子どもを授かりたいと、可能な限り諦めずに治療を続けようと覚悟した。

そして、奇跡が起き瑞希をこの身に宿したと知った瞬間、

何があってもこの子を産んで育てようと覚悟した。


私が今回する覚悟は…

そのどの覚悟より…

深くて重い。


その先には救いようのない絶望が待っているのだろうか?

それともこの上ない幸せが舞い込んでくるのだろうか?

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