消えた同級生【玩具の女編】
「俺なんかより兄貴の方が凄いッスよ!勉強とかスゲーしてるし…俺が夜中までゲームしてると、兄貴はずっと起きて勉強してるんです。スゲー努力家!」

この言い方に女子達はみんな一気に苦笑いを始めた。

「三條君が努力家なのはわかるけど…」

「寒河江君はゲームしてて1番とか取ってるんだ〜」

「三條君、10番とかだよね?」

「寒河江君はきっとお母さんに似て生れつき頭が良いんだね!」



俺は優越感に浸った…

兄貴の参考書を持つ手が震えている。

思い知れば良い…散々踏み付けた人間に踏まれる様を…



「寒河江君、この後何に出るの?」

「俺は騎馬戦とあとリレー」

「超カッコイイ!」

「応援するね!」

「兄貴は?」

「……玉入れ」

兄貴は俺の顔を見ないで答えた

「頭脳戦じゃん!頑張れよ!」

俺はみんなに手を振りその場を立ち去る。
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