消えた同級生【玩具の女編】
「それは…」

「あなたはその時、碧依を不幸にするのね…」

「…え?」

「あなたは蒼湖の罪を償うために、碧依を選ばないんでしょ?」

「………」

「あなた達は生きて幸せになる権利があるのに、あなたはそれを放棄するのよね?」

「上野が、俺を選ぶ訳がありません」

「それでも選んだら?年頃の女の子が、1番身近な人を好きになる可能性は、ゼロじゃないのよ?」

「俺を選んだら?」

「その時は…考えて。未来か過去か…
あなたが進みたい道を…それはあなたが決めること。私は『生きろ』としか言わない。その先を決めて進むのは自分。あなたが決めた道を咎める人は、この世に誰もいないから…それは覚えておきなさい」

ぴしゃりと言われた。大人に説教されたのは久しぶりで、正直こたえる…



未来を決める

そんな事、考えたことなんか無かった…蒼湖が死んでから…

俺は幸せになるなんて考えられない…人の幸せを奪った人間なのに…



誰かに許されるなんて…
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