消えた同級生【玩具の女編】
「………」

「それに、太門は名家育ちで、いずれ結婚する人が親に決められるって知っていたから…」

お母さんは、そんなに太門さんを愛していたんだ…

太門さんの幸せを考えて、身を引いたんだ…

なんか…感動…

「それで、いつ再会したの!?」

「…大学」

お母さんの顔が一瞬で不愉快な顔になった。

「私は一年遅れて大学に入ったら、太門がいたのよ…
あなたはもう5歳だったし、私の気持ちの整理もついていたのに…
あいつったら、ホンット遊んでばかりで、揚句の果てに私に子供がいることを知っててプロポーズの嵐!」

私の頭の中で、その光景は容易に想像出来た…

「頭に来て、絶対結婚しない!って思ったの。あの頭が未来をしっかり考えられるようになるまではって…
だけど…」

「だけど?」

「頼ってしまった…、そして今がある…」

そうだね、間違ってなかったね…

「だから…」

「うん、いいと思う。私、家族全員で暮らしたいよ!」

「そう?」

「うん!」

私もお母さんも、ニッコリ笑った
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