消えた同級生【玩具の女編】

私は次第に笑うことが苦手になってきた。

うまく笑おうとする度に淑ちゃんが心配した顔をする…

見透かされるのが怖くて、私は淑ちゃんの顔を直視出来なくなっていた。



そんなある日、私は淑ちゃんと学食から帰ってくる途中で、ある人に呼び止められた。

「如月さん、ちょっといい？」

神妙な顔をした元カノ、アスミだった…

「何ですか…？」

「ちょっと…」

アスミは目の前のトイレに来いと目を配る。

淑ちゃんもついてこようとしたが、一対一で話したいからと追い払った。

トイレの扉が閉まるまで、淑ちゃんは泣きそうな表情をしていた。

だから私はまた笑った。




トイレに入ると個室からアスミの仲間が二人出てくる。

「どうやって彼に取り入ったのよ！」

アスミは掴みかかってきた。

「あんたみたいなのがどういう手を使ったのよ！なんで？どんな手を使ったの？」

周りもヤジを飛ばしてきた。

…何でこんな目に遇わなきゃいけないんだろう…

「別に、何も…」