キミと生きた時間【完】
「ビックリさせてごめん。こんな話されても困るよなぁ」
「ううん、こっちこそ……ごめんなさい」
「いいんだって。もう昔のことだし。今は案外楽しくやってるから」
彼は両手を組んで空高く持ち上げると、大きく伸びをした。
「風、気持ちよくない?」
「うん」
「そういえばさ、明日の給食、カレーだって。フルーツポンチつき」
「あたし、カレー好きじゃない」
「明後日は揚げパンだって」
「揚げパンも嫌い」
「揚げパンも嫌いかぁ……」
彼は立て続けに不思議なことを口にする。
だけど、無意味に思えるその会話も嫌ではなかった。
こうやって誰かと言葉のキャッチボールをすることを、
あたしはずっと望んでいたんだ。