キミと生きた時間【完】
「ごめん、涙ふいてあげたいんだけど、ハンカチもタオルも持ってないんだ。だから……― -」
彼は遠慮がちにそう言うと、そっとあたしの体を抱きしめた。
「涙……ついちゃう……」
彼の温かさに甘えてしまいそうになり、そっと両手で彼の胸を押す。
いつからか人に甘えることが苦手になっていた。
誰かに甘えたら迷惑だろうなとか自分を否定することばっかり考えて殻に閉じこもっていたから。
だけど、彼は腕を緩めるどころかさらに力を込めてあたしの体を抱きしめる。