キミと生きた時間【完】
「あんたは学校楽しいのか?」
「あたしね、里桜っていうの。浅野里桜(あさのりお)」
「……――分かった。で、里桜は楽しいのか?」
あたしが名前を名乗れば宇宙君も本名を教えてくれるかもしれない。
そんな願いもむなしく、彼はサラッと流す。
だけど、『里桜』と男の子に呼びつけされたことが初めてだったせいか、何故かくすぐったい気持ちになった。
「楽しいか楽しくないかで言ったら楽しくない……かな」
「なんで?」
「入学当初はすごい楽しかったの。毎日学校に行くのが楽しみで仕方がなかった……」
「それならどうして楽しくなくなったんだよ」
「……笑わないで聞いてくれる?」
「あぁ」
「あたしね、嫌われてるの」
「嫌われてるって?」
「ほんの少し前まではすごく仲良くしていた子に……」
もう何十回も謝ったのに、いまだに許してもらえない。
誤解なのに、弁解のチャンスももらえない。
あたしの言うことは何一つ信じてもらえないんだ……――。
「話せよ。少しは楽になるんじゃね?」
「ありがとう。あのね、あたしね……――」
宇宙君のその言葉に甘えて、あたしは話始めた。