キミと生きた時間【完】
必死で勉強して家の近くの公立高校への進学が決まり、入学当初は心が弾んでいた。
ずっと憧れていたチェックのプリーツスカートに紺のブレザー。
制服に袖を通すと、笑顔がこぼれた。
高校に入学したばかりの頃は本当に幸せだった。
友達もたくさんできたし、勉強だって楽しかった。
友達とくだらない話をして盛り上がったり、放課後は制服で街に繰り出したり。
ファミレスでドリンクバーを飲みながら恋バナをしたり、先生の愚痴をこぼしたり。
何をしていても、誰といても楽しくて幸せで毎日が笑顔で溢れていた。
だから、この幸せが続いていくって信じて疑わなかったんだ。
……――あの日が来るまでは。
『ねぇ、里桜。あたし、隣のクラスの田中君が好きなんだ』
事の発端は、当時一番仲良くしていた美奈子の一言だった。
『あたし、美奈子。仲良くしてね~?』
入学式の日、隣の席に座った美奈子は緊張するあたしに笑顔で声をかけてくれた。
それからすぐに意気投合して、あたしと美奈子は一番の友達になった。
美奈子がどう思っていたのかは分からないけれど、あたしにとって美奈子は誰よりも大切な友達……ううん、親友だった。
そんな美奈子が好意を寄せたのが、男女問わず絶大な人気のあった隣のクラスの田中君。
もちろん彼に対して何の感情も抱いていなかったあたしはニコリと笑って美奈子にこう言った。
『頑張って!!あたし、応援するからっ!!』って。
その一言が、あたしの今後の運命を左右することになる。
まさか田中君にその数日後、告白されるとは思ってもいなかったから……――。