キミと生きた時間【完】

「……――里桜!!」


突然現れたあたしに目を丸くして驚くお父さんとお母さん。


あたしは二人の前まで歩み寄ると、こう切り出した。


「麻痺(まひ)ってなに?」


「何の……ことかしら」


あたしから目を反らしてごまかそうとするお母さん。


「全部聞いてたの。ごまかしても無駄だよ?」


「……――分かった。お父さんが全部話そう」


腹を決めたのはお父さんだった。


「お父さん、やめて!!」


何とか止めようとするお母さんをなだめると、お父さんは話し始めた。
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