キミと生きた時間【完】
「里桜に何してんだよ」
えっ……?
低くかすれた冷たい声。
その声の先に視線を向けて思わず目を見開く。
そこには、なぜか私服姿の宇宙君が立っていた。
「なぁ。何してたのか早く言えよ」
宇宙君はあたしの手を掴んで田中君から引き離した。
「何って別に……」
「嫌がってる奴の腕掴んで引っ張って、別にって意味わかんねぇし」
「そういうあんたこそ、浅野さんの何だよ」
「は?お前に言う必要なんてない」
こんな怖い顔をした宇宙君は見たのは今日が初めてだった。