キミと生きた時間【完】
「里桜、今日、時間ある?」
「うん」
「じゃあ、ちょっと付き合ってくんない?」
あたしが落ち着くのを待って宇宙君はあたしの手を引いて、行先も告げずに歩き出した。
「そんなに遠くないから」
宇宙君の手のひらの熱が体中に広がり、あたしは自分の気持ちに確信を持った。
あたし、宇宙君が好き。
友達としてじゃなく、異性として。
一人の男の子として宇宙君が好き。
なんだか不思議。
そう気づいた時、パァッと目の前が明るくなった。
好きな人ができただけなのに、こんなにも胸が躍る。
繋がれている手を見てると思わず顔がほころんだ。