キミと生きた時間【完】
「……そっか。辛かったな」
最後まで黙って話を聞いてくれた宇宙君は、そう言ってあたしの頭を撫でてくれた。
宇宙君の大きな手のひらはいつだって温かくて気持ちがいい。
「あたしね、今日初めて思ったの。このまま消えてなくなってしまいたいって」
「それって、死にたいってこと?」
「それとも違うの。ただ、今の現状から逃げたいって思ったのかもしれない。逃げ場所なんてないのにバカだよね」
ふふっと無理に笑うと、宇宙君はそっとあたしの肩に腕を回してギュッと自分の方に引き寄せた。
「無理して笑うなよ」
宇宙君とぴったりと密着した右半身が熱くなる。