305号室の男。【完】
「大智さんが、もしかしたら桜さんの元に戻っちゃうんじゃないかって…」



ちゃんと、あたしの気持ちを。



「そしたら、あたしは大智さんを忘れることができるかなって…」



ダメ…、泣いちゃダメだ。



「でも、無理みたい…。あたし…、大智さんが…、好きなの」



伝わった…?



あたし、大智さんに夢中なの。



「奈緒、俺はお前だけだって。昔も今も、これから先も。だから心配すんな」



“桜とは、ちゃんと別れてきたから”と、大智さんはあたしにキスをくれた。



「んぁっ……はぁっ…」



大智さんの、止まらないキス。



逃げようとする舌を追いかけてきては、捕まる。



「奈緒が…、ほしい」



大智さんの一言に、小さく頷いた。
< 161 / 196 >

この作品をシェア

pagetop